自宅床に穴開け女性宅に侵入。。。
平成27年10月、茨城県つくば市の自宅アパートの床に穴を開けて侵入し、39歳の女性を襲ってけがをさせたとして、強姦致傷と建造物損壊、住居侵入の罪に問われた住所不定、無職の男(51)の裁判員裁判が今年5月、水戸地裁で行われた。思いを寄せる女性の真上の部屋に引っ越し、犯行に及んだこの男。その情熱的な片思いの全貌が明らかになった。
目次
・10年ぶりの「再会」
「彼女は人生の全てだった」
平成8年、同僚の男性に連れられて入った飲食店で、アルバイトをしていたのがその女性だった。10年後の平成18年に再び茨城県内で女性と再会を果たしたことで、男の恋が一人で周り始めてしまった。
女性は小料理屋やクラブなど、数軒の飲食店のオーナーになっていた。最初の3カ月ほどは、女性から誘われて女性の経営する店に足を運んでいた男だったが、そのうち自ら通うようになっていった。週末に2〜3回訪れ、行くたびに毎回3万~4万円を支払っていた。
女性は、男を常連の上客として扱った。証人尋問に臨んだ女性は「あくまで経営者とお客」と説明。「男に恋愛感情を抱いたことはあるか?!」という検察官の質問に対して、「全くありません!」と即答した。
思いを募らせた男は、女性に「彼女になってほしい」など。。。好意を伝えるメールを数通送った。女性は「酔って送っているのだろう」と考え、はっきりと拒絶しなかったという。
・トイレに隠しカメラ
27年8月、男は女性の経営する小料理屋のトイレに、大胆にも隠しカメラを仕掛けた。「いやらしい気持ちをこっそり満たしたかった」
隠しカメラは男が回収する前に女性に見つかり、撤去された。1週間後、男は自分がやったと素直に白状した。女性の中には男に対する恐怖心が刻まれた。
9月半ば過ぎ、男はある疑念を抱き始める。女性には交際相手がいるのではないか?!
男が、つくば市内にある女性の住むアパートに空き部屋がないか、不動産屋に問い合わせると、9月下旬に部屋空く予定があった。女性の住む103号室の真上の203号室だった。
・穴開け作業開始
男はスタンガンと小型カメラを購入し、10月15日に203号室に入居してきた。アパートの入り口付近と駐車場を監視できるように、自宅のベランダに小型カメラを2台設置しました。「浴室の天井に点検口があるのに気付き、ここから侵入できると考えた。」同じ日に電動ドリルやのこぎり2本などを購入しました。その夜から203号室の浴室の床に穴を開け始める。
10月18日、女性の経営する飲食店へ。
10月19日、小料理屋のトイレを盗撮した件について、女性に示談金200万円を支払う。
10月20日ごろ、成人用玩具を購入。
10月23日、女性に交際相手がいると確信。
「だまされたと思った、裏切られた!制裁を加えてやろう。問いただしながら強姦して、辱めてやろうと決めた!」
そして10月25日の夜中、男はついに10日間にわたる「穴あけ作業」を成功させた。
10月26日午後4時ごろ、女性が帰宅。モニターで監視していた男は、犯行の実行を決意する。「男と2人で帰ってきた。」からだ。
・犯行を決行する
午後10時30分ごろ、女性が再び外出したのを確認し、103号室の浴室天井の点検口を開け、女性の部屋へと侵入した。
男は手錠やさるぐつわ、監視用のモニター、バッグの中にはタオルに丁寧に包まれた大量の成人用玩具や、精力剤が入っていた。
27日午前0時30分ごろ、男はスタンガンを手に暗闇に身を隠した。
女性は知人を車内に待たせ、103号室の玄関を開けた。男はスタンガンを持った右手を振り上げ、女性に襲いかかった。女性はとっさにあの男だと気付き、右手を両手でつかみ激しく抵抗した。
女性は叫び声をあげて助けを求めました。男は女性にスタンガンを放電した、このとき女性は右腹部にやけどを負っている。女性は必死に説得を試みて、「外に人がいる!」「警察を呼ばれてしまうかも?!」「警察には言わないから逃げて!」
女性の恐怖におののいた表情や説得の言葉に、次第に強姦する意欲を失った男。そして女性に促されるまま、女性のサンダルを履いて外へと逃げて行きました。
203号室に当然戻るわけにもいかない男は、近くのコンビニいるところを女性の通報で駆けつけた警察官が取り押さえその場で逮捕された。そして平成28年5月27日、男には懲役3年6か月の実刑判決が言い渡された。