鍵とカギ番号の歴史。
中世の鍵と錠とは?
中世のヨーロッパは、力が社会を支配した時代で、錠も破壊に強い大型のものが使われていました。その形式は、「ウォード錠」といわれるもので錠側に突起を多様に設けて、鍵は複雑な刻みがほどこされた大型のものであったとされています。
権力者は、次第に鍵模様の精巧さや美しさを競うようになり、渦 巻模様、組合せ文字、注文主の紋章などを表したものなどが現れて、鍵が権力や地位の象徴になっていきました。今日でも都市が善意の意味で外国の都市や客に 礼儀的な都市の鍵をおく
ったり、渡したりすることが行われています。現在のイタリアでも日本で言う「遺言」の代わりに鍵を後世に継承していく文化が根付い ています。至るところに鍵が使われているイタリア(ヨーロッパ)玄関はもちろん、各部屋、倉庫、トイレにも鍵(錠
前)が多種多様に使われていて、レストラ ンやタバコ屋さんでトイレを借りるときにも鍵を渡されることもよくある光景なのです。古い文化や建物を大切にするイタリア(ヨーロッパ)では、両親はもちろん、お爺ちゃん、お婆ちゃんを大切にし、その
土地の郷土料理、家庭の味も大事に守っていくお国柄なのです。鍵を親から子へ、子から孫へ受け継ぐ文化も自然なのかもしれません。
鍵を継承す る、渡したりする文化と共に、鍵作りの職人にも芸術的で優美なものを作る者が現れ、時計はこれらの職人が作り始めたといわれている。
この絵は2014年5月に撮影された写真で、場所はイタリア北部のチビアーナ(CIBIANA) 。
世界的な時計製造国で有名なスイスの国境近く、アルプス山脈のふもとに位置する小さな村で、人口約100数十人程度である。店も移動式スーパー、小さな駄菓子屋とエスプレッソの美味しいレストランが1件あるのみです。この村は北イタリア、コネリアーノに本社を構える鍵の会社のルーツで創業1770年、約240年も前にこの村で産声をあげたのです。
イタリアの北部に位置するCIBIANA、冬になると大雪で吹き荒れるこの村のいたるところの壁に絵が描かれている壁画。確認しているだけでも30箇所以上も存在するのです。
この絵が描かれている場所は、美術館や歴史的建造物ではなく、ごくごく普通の一般家庭の家の壁に描かれている。その持ち家の人たち数人に話を聞いてみると、その絵の事を自慢げに説明していました。
なんとも言葉では表すことができないほど神秘的な街並みでした。